室戸を行く2つのバス Vol.1

記事をご覧の皆様こんにちは、今年大阪大学に入学及び再履バス同好会に入会しました中の人38号ことみのしまです。どうぞよろしくお願いいたします。
今回、夏季休暇期間を使って高知県は奈半利町から徳島県南端に位置する海陽町の阿波海南までバスを使って旅行してきましたので、レポート半分旅行紀半分のような形式でお届けいたします。

さて降り立ちましたのは土佐くろしお鉄道ごめん・なはり線こと阿佐線の終着、奈半利駅。天気は晴れ、9月になっても続いていた猛暑は和らぎ気温は29℃と過ごしやすい気候です。
駅は無人だったため集札は車内で行われ、高架上にあるホームを出て階下へ。駅にはロータリーと物産館が併設されています。そこで少し買い物をして外へ出ると、ちょうど1両のかわいらしい汽車が駅を後にしていきました。

それから数分待ちまして、乗車するバスがロータリーに進入。高知東部交通 安芸-ジオパーク線の室戸世界ジオパーク行。古そうな車両だ、という印象を受けるのもそのはず、元は阪急バスで活躍していた1995年式エアロミディだそうで1。内装もかなり年季が入っている様子が見て取れました。地元を走るバスにここまで古そうな車両はいなかったよな、大丈夫か?という(半ばどうしようもない)私の不安をよそに、エンジンを軽快に唸らせながら奈半利駅を出発。まもなく国道55号に合流します。奈半利川が作った平野部は六本松停留所あたりで姿を消し、進行方向左手から迫ってくる山と右手に見える青々とした太平洋の間に作られた、室戸を介して東西を結ぶ貴重な道路を他の多くの車と一緒にバスは進んでいきます。

さて、先程通過しました六本松停留所から先では、土佐湾東岸に発達した海岸段丘の一部を見ることができます。最も車内から段丘面を見ることは叶いませんが、山の斜面は途中で不自然に途切れているため注意深く観察するとこれをはっきりと見て取ることができます。一方の海側を見ると、ゴツゴツとした岩が海から顔を覗かせています。どうやらこの岩々は大昔に深海にあったものが隆起によって地上に現れたもので、水流によってできた凹凸などその痕跡を見ることもできるのだそう2。時間があれば是非下車してみたいですが、この後の予定もあるので先を急ぎます。

急カーブで羽根岬を通過すると、車窓に張り付いていた斜面が離れて少しばかり平地が見られるようになります。地図アプリを確認すると、2km程度の平地に4本の川が所狭しと身を寄せています。これらの川の流れによって大規模に土地が浸食され、集落の発達に繋がったのでしょう。こうした地形はこれから室戸岬へ進んでいく中で何度も確認することができますが、川がこれほど密集しているのはここぐらいかと思います。

行当岬付近からの車窓

バスは南進を続け、途中何度か乗客の動きも。お遍路さんを追い越しながら行当岬を通過、少しすると室戸市浮津交差点へさしかかります。国道55号はここで右折になりますが、このバスは直進し県道202号へ。少し不審に思いまたも地図アプリを見ると、なんとこの道路は室戸岬を通らずに向こう側に突き抜けているではありませんか。まさか室戸岬を通らずにジオパークまで行くバスだったのか、乗り間違えたかと思いましたが、ちょうど中間地点あたりにある室戸高校前停留所でUターン、元来た道を戻り再び国道55号へ合流。この動きにはさすがにドキドキさせられました。

この後は特に何事もなく走り続け、11時55分、室戸営業所に到着。運賃1,100円を支払い下車します。次の移動の前に、幾らかバスの撮影を。

私が乗ったような古い車両ばかりという訳ではなく、2021年導入の日野レインボーの姿もありました。

次の目的地は、ここから道のりにして約600m程度の場所にある「海の駅とろむ」。一応バスもあるのですが大した距離ではないので徒歩で移動します。漁港に食堂とお手洗い、更にはドルフィンセンターがくっついたような場所になっています。

さてこれからお食事… という所ですがここでひと段落させ、続きはVol.2として投稿したいと思います。
それでは次回もお楽しみに。

参考文献:

  1. とでんに乗って! 高知東部交通・高知200か232 https://ameblo.jp/t44uemura/entry-12807560723.html ↩︎
  2. 室戸ユネスコ世界ジオパーク 室戸の地質・地形・景観 Muroto Geopark promotion committee https://www.muroto-geo.jp/catgeomap/geology/ ↩︎

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