どうも中の人1号です。
3月27日、猪名川営業所に新たに導入された電気バスの運行が開始されました。阪急バスの電気バスといえば既にBYD K8が千里営業所に2021年、茨木営業所に2023年に導入され再履バスでもお馴染みですが、今回デビューしたのはEVモーターズ・ジャパン(以下EMJ)のF8 series2-City Bus 10.5m。昨年大阪シティバスに配備され関西でも徐々に知名度を上げつつありますが、阪急バスでは同車種は初ということで、早速撮影・乗車してまいりました。
また3月14日には報道公開(お披露目会)がありましたのでそちらの様子も合わせて掲載します。
猪名川営業所に配備されたEMJ F8 series2-City Bus 10.5mの9001。以前に導入された電気バスと異なり、阪急バスお馴染みの水色・クリーム色・トリコロールという外装が採用されています。
EMJは北九州に本社を置く日本のバス会社で、製造は中国のWisdom Motorに委託、車体もWisdom社の製品をベースにしていると見られます。今回も12月に中国にてトレーラーに載せられて輸送中の様子が目撃され話題になりました。
初日となる今日は4台のうち1台が稼働。撮影時は[9]系統・日生中央行きとして運行していました。JR川西池田駅・阪急川西能勢口駅から兵庫県道12号線をひたすら北上し、つつじヶ丘の住宅街をぐるっと回って日生中央まで運行する17.6kmに渡る、比較的長距離な路線です。目撃情報によると朝から運用に入っていたようで、航行距離280kmの性能を見せつけていました。
乗車したのがちょうど帰宅ラッシュとあって、車内は立ち客が出るほどの混雑に。真新しいバスにスマホから顔を上げ車内を見渡す人も多く見られました。「明るい!」「新幹線みたい!」「座り心地いいね」「静か~」という声もちらほら。またタイヤケースが車内に飛び出しておらず乗りやすいとの声もありました。
実際に車内はかなり明るく、帰りに普通のバスに乗ると薄暗く感じるほどでした。BYD K8では照明を強くするとフロントガラスに反射してしまう問題があり光量を抑える運用がなされていましたが、こちらは無問題な様子でした。
座席は普通の車両よりは硬め。それでもK8(正確には开平市春山汽车座椅有限公司の座席)よりは柔らかく、約一時間の乗車で疲れることはありませんでした。また座面のくぼみや、特に背もたれのカーブが心地よく、電気バス特有のグッとくる加速のたびに体が押しつけられ、普通の車両よりも快適に感じたほどでした。(硬さに関しては個人の感想なので何らかの方法で客観的に比較したいですね。)ヘッドレストは身長150cmくらいの人ならちょうどいいみたいです。
日生中央駅で折り返し若葉二丁目行きになり、ここでこの日の運用は終了。車庫へ戻りました。
ここからは3月14日のお披露目会の様子です。
3月14日、報道関係者向けお披露目会が開かれました。お披露目会には猪名川町長や阪急バス社長をはじめとした関係者が出席し、報道機関による取材が行われました。猪名川町は電気バス充電器の購入費用・設置費用を補助しており、町の関係者も数多く見られました。
式典の終了後は関係者を乗せた試乗会が行われました。晴れ舞台にはトップナンバーの9001が抜擢され、式典出席者を乗せてまずは1往復、その後報道関係者や阪急バス関係者を乗せて更に1往復しました。(行先はおそらく日生中央。)
試乗会では接近警報音を聞くこともできました。BYDとは別の音色で新鮮でした。また走行時の騒音もさすが電気バスといったところで全く気にならず、静かで力強い走りを見せていました。
猪名川営業所には2022年11月にEMJのサンプルカーが訪問している様子が目撃されており、検討はその頃から進んでいたのかもしれません。また2021年12月には当時再履バス専属だった千里営業所のBYD K8がなぜか来場したことがあり、何かと電気バスとの縁がある営業所であります。
猪名川営業所の管轄路線は非常に勾配が多く、急坂なだけでなく上り下りを繰り返す道路が数多く存在します。ディーゼルバスでは余剰な位置エネルギーは熱として捨てるしかありませんが、電気バスでは回生ブレーキを用いて電力という形で効率よく回収し再利用できるため、下り坂におけるエネルギーの無駄を抑え、運行費用の圧縮が期待できます。このあたりの効果については今後検証したいと思います。
ついに導入されたEMJの電気バス、今後の活躍が楽しみですね!
追伸:
お披露目会を一緒に撮影&写真提供してくださった知り合いに御礼申し上げます🙏